場所を選ばずどこでもポータブル電源を充電するために必要なものと言えばソーラーパネルです。もちろんソーラーパネルだからといって充電時間が長いものでは使い物にはなりません。
EcoFlowから220Wの両面受光型ソーラーパネル(太陽光パネル)が発売されました。こちらの商品は表と裏の両側にパネルが設置されていることが最大の特徴です。これにより太陽の光を無駄なく受光できるため、同じ定格出力の製品と比較して充電スピードが早くなります。
充電スピードの速いソーラーパネルを検討している方は是非ご覧ください。
スペック詳細
サイズ | 82 * 183 * 2.5 cm(使用時) 85 * 52 * 3.5 cm(収納時、実測値) |
重量 | 約9.5 kg |
変換効率 | 22〜23 % |
定格出力 | 表面 220 W / 裏面 155 W |
接続タイプ | MC4 |
開路電圧 | 21.8 V (Vmp 18.4 V) |
短絡電流 | 13 A (Imp 12.0 A)表面/ 8.8 A (Imp8.4 A)裏面 |
パネルの材料 | 単結晶シリコン(※) |
・ 持ち運んで使うことを想定しているため折りたたみ式になっています。
・ EcoFlowから最大出力400Wのソーラーパネルが発売されていますが、こちらはそれに次ぐ高出力の商品になります。
・ 一般的な200Wの片面ソーラーパネルの重量が7~8㎏に対して若干重くなっています。
(※)ソーラーパネルに使われる材料で最も一般的なものがシリコンになります。
その中でも「単結晶」は「多結晶」などと比較してエネルギー変換効率が高いため、こちらの商品はソーラーパネルに最適で良質な材料が使われていることになります。
特徴
両面受光パネル採用で高い発電効率を実現
出典:EcoFlow
両面受光パネルとは読んで字のごとく、表面と裏面の両側が受光面になっているソーラーパネルのことを指します。ソーラーパネルは太陽の光エネルギーを電気エネルギーへ変換する仕組みとなっているため、パネルが多くの光を受光するほど発電量がアップします。
簡単な模式図を書いてみました。太陽の光は地面や大気中のあらゆる物質(例えば雲など)に反射しながら拡散しているため、太陽光を直接受ける以外に裏面で反射光を受光することで、表面のみで発電するソーラーパネルと比べて単位時間当たりの発電量が増えることになります。
防塵・防水仕様
出典:EcoFlow
電子機器の防水性能・防塵性能の規格としてIPコードと呼ばれるものがあります。こちらのパネルはIP68となっており、キャンプなど屋外で使用中に急な天候変化があってもそのままほおっておいても問題ありません。
Xの部分は防塵性能を示します。Yの部分は防水性能を示します。
防塵性能「6」・・・耐塵形、塵埃の侵入があってはならない。
防水性能「8」・・・潜水状態の使用に対して保護。
耐熱強化ガラス仕様
パネルには薄型の耐熱強化ガラスが採用されており、通常のパネルと比較して約5倍の強度を誇ります。空から何かが降ってきたときはもちろんのこと、パネルを設置している最中やパネルが風であおられたときにパネルが割れてしまう恐れはなさそうです。
耐熱性は148℃となっているため、真夏のキャンプや車中泊など、炎天下で使用した場合でもパネルがダメージを受けることなく安心して使用できます。
表面と裏面のパネルをよく見ると、全く同じパネルを使っているわけではなさそうです。配置場所によってそれぞれ最適な仕様が考えられているようです。
折り畳み式でコンパクト
4枚のパネルを折り畳むことでコンパクトに収納することができます。クッション性の高い素材でできた収納バッグは持ち手も補強されているため持ち運びも便利です。

収納時のサイズは52×85×3.5cmとなっているので、おうちで保管するときはもちろん、車で運ぶときでもちょっとした隙間にスッと入れることができます。
● 厚み:強化ガラスを薄くする技術によって厚み方向の省スペース化を実現
災害時でもソーラーパネルで電源を確保
こちらで紹介したポータブル電源/EcoFlow RIVER Proと大容量のソーラーパネルをセットで準備しておくことで強力な防災グッズになります。ここ数年災害が多く発生しているため、今こそしっかりとした災害対策を見直してみるのもいいかもしれません。
カタログに載っていない特徴
メーカーHPでは特に強調されていない細かい点についてご紹介いたします。
収納バッグは止水仕様
収納バッグは3辺がガバッと開くことで出し入れがしやすい構造になっています。このようにジッパーには水が浸水しにくい止水構造がしっかりとられています。
収納バッグの内側にも工夫あり
先ほど少し触れましたが、収納バッグを広げることで設置用スタンドとして使用します。
地面で反射した太陽光を裏面パネルで無駄なく受光できるように、収納バッグの内側には反射率が高い白色の素材が使われています。反射光を無駄にしない工夫がしっかり考えられています。
実際に使ってみた(※2022.6.25更新)
この商品の最大の特徴である両面受光型パネルの実力について評価してみました。
使用機材:RIVER Pro+220W両面受光型ソーラーパネル
うっすら薄雲が掛かった晴れの日にRIVER Proにつないで残量0の状態で計測を開始しました。
横軸は充電時間、縦軸は充電容量を示しています。詳細な説明はこの後行います。
出力値について
カタログスペック(定格出力) | 最大出力(実測値) | 平均出力(充電時間から算出) |
表/220W、裏/155W | 172W | 110W |
薄雲がかかっていましたが、最大出力172W、平均出力110Wという結果になりました。
カタログスペック(定格出力)と実力値に乖離が見られますが、一般的に実際の出力値は定格出力の7割程度と言われてます。
出典:EcoFlow
メーカーHPではこのように説明されていますので、今回記録した最大出力172Wという値は想定通り十分なパワーが出ているものと思います。日照条件によってはもう少し高い値が得られるようにも思えます。
充電時間について
今回は一日中天候が安定していたため常に高い出力が出ていました。その結果、充電容量が88%までにかかる時間は5時間45分でした。
過充電によるバッテリーの劣化に配慮して88%で充電をストップしましたが、このままのペースで充電した場合、満充電になるまでにかかる時間は6.5時間と想定されます。
以前こちらのページで紹介した110Wのソーラーパネルの測定結果をグラフに重ねてみたところ、今回使用した220Wのソーラーパネルの方がおよそ2倍のスピードで充電されていることがわかりました。
定格出力が2倍なので当然と言えば当然の結果ですね。
実際にキャンプで使用することを考えた場合、常に晴天が続くとは限らないので、なるべく短時間で充電できた方が使い勝手はいいと思います。
そういった意味で、6.5時間でフル充電できる220Wのソーラーパネルの方が活躍する機会が増えそうです。
晴天具合と出力の目安
晴天といっても、雲一つない晴天、薄雲が掛かった晴天、部分的に大きな雲がある晴天など、様々な状況が考えられます。
そこで、晴天具合と出力のイメージが湧くように、陰の様子で比較してみました。
出力が160Wを示してる時はまぶしいくらい晴天だったので、影の輪郭がくっきりと表れています。
出力が67Wの時は太陽に雲がかかった状態だったので、陰の輪郭は先ほどと比べるとぼんやりした感じになっていました。
このように晴れの日といっても太陽と雲の位置によって出力が大きく変化するため、短時間で充電できる220Wのソーラーパネルは天候の変化を受けにくいと言えます。
両面受光型パネルについて
パネルの裏面側をよく見ると太陽光がソーラーパネルを通過しているように見えます。
こちらの両面受光型パネルはモジュールとモジュールの間に透明な枠が設置されており、そこを太陽の光が通り抜けているようです。
つまり、モジュールの間から通り抜けた光がスタンドに反射して、裏面パネルで受光されることになります。
先ほどの説明で、「太陽の光は地面や大気中のあらゆる物質(例えば雲など)に反射しながら拡散している」と書きましたが、こちらの220Wのソーラーパネルはモジュールの間に透明領域を設置することでモジュールの間から光が通り抜けられるため、より効率的に裏面パネルに光が導くように設計されているものと思われます。
この辺りは勝手な想像ですので違っていたらすみません…
まずはお試しで使いたい人
ソーラーパネルやポータブル電源が欲しいけどまずはお試しで使いたいという方はレンタルすることが可能です。
希望の商品がない場合がありますが、ポータブル電源やソーラーパネルがいまいちピント来ていない方は一度お試しいただくといいと思います。
今までの生活や遊びのスタイルがガラッと変わると言っていいほど重宝する電子機器だと思います。
まとめ
今回はEcoFlow 220Wの両面受光型ソーラーパネルをご紹介いたしました。両面にパネルを設置することで太陽の光をがっちり受光することができるため、無駄なく効率的に発電することができます。
RIVER Proは6.5時間でフル充電可能なため、天候の変化が起こりやすいアウトドアシーンでこちらのソーラーパネルを備えておくととても安心です。
EcoFlowに限らずポータブル電源は頻繁に値段が変化するため、以下リンクより最新のお値段を確認してからご購入することをおすすめいたします。