そろそろ薪割りに挑戦したいけどなんとなくハードルが高いイメージがあるため二の足を踏んでいる焚火愛好家の方も多いのではないでしょうか。
どうしても薪割りと聞くとオノやナタのような大きな刃を振りかぶってガツンと薪を割るイメージが強いため、特にお子様がいる家庭ではなかなか手が出しづらいと感じてしまうのではないでしょうか。
そこで今回は薪割りの危険なイメージを払拭して、お子様にも安心して薪割り体験ができる道具をご紹介いたします。
薪割り道具を4つの視点で比較してみた
代表的な薪割り道具として「斧、鉈、ナイフ、キンドリングクラッカー(キンクラ)、クサビ」の5つを、「安全性、割りやすさ、携行性、コスト」の4つの視点で比較してみました。
キャンプ場で薪割りすることを前提としています。
このため、丸太を割るというより、キャンプ場で購入した太めの薪を焚き付け用の細めの薪に分割する作業を想定しています。
結果を先にお伝えすると、キャンプ場で薪割りを楽しむことを前提とした場合は、「クサビ」がもっともバランスの取れた薪割り道具になります。詳しくは後ほどご説明します。
安全性 | 割りやすさ | 携行性 | コスト | |
オノ(斧) | × | 〇~△ | △ | 〇 |
ナタ(鉈) | × | × | △ | 〇 |
ナイフ | × | △ | 〇 | 〇~△ |
キンドリングクラッカー (キンクラ) | 〇 | △ | × | × |
クサビ | 〇 | △ | 〇 | △ |
簡単な説明
- オノは自重があるため、太めの薪を割るのに適しています。焚き付け用の細い薪を割るときは扱いづらいです。
- ナタは刃渡りが長い分、刃がブレやすく太めの薪に対して使いづらいです。
- 薪割り用としてナイフを使用する場合、刃が丈夫な「フルタング」が必要となり値段はピンキリ。薪割り以外にブッシュクラフトにも活用できます。
- キンクラは唯一の据え置きタイプのため自宅で薪を割って持っていく場合におすすめです。
クサビの種類
一口にクサビと言ってもいくつか種類があり、それぞれの形状に特徴があります。
ストレートクサビ
「クサビ」と言えば大抵の人はこの形をイメージすると思います。重さが約2.0㎏。刃先が平らで食い込みがよくないというレビューが気になりました。
ねじりクサビ
重さが約2.0㎏。ねじれ形状をしているため、刃を食い込ませた後、ハンマーで打ち込む度に切り口が押し広げられて薪が割れる仕組みになっています。
刃の食い込みがあまりよくないというレビューと2.0㎏という重さで購入を見送りました。
KBER クサビ ダイヤモンドウェッジ
重さが約1.6㎏、形が十字形状となっているため、自重を使って一本の丸太を4つに分割するときに活躍する商品です。
キャンプ場で売っているようなすでに分割された薪を焚き付け用に割る場合はここまで大きなものは必要ないと判断しました。
購入を決定したもの
色々調べていくうちに、クサビに求める機能として「刃の食い込み」が重要なキーワードであるということがわかりました。
つまり、後悔しないクサビを選ぶ条件として以下2点を取り上げました。
- 刃の先端が尖っていること
- ある程度自重があること
この2つに絞ってさらに調べた結果、最終的に「TRIPATH × myXクサビ」 という商品にたどり着きました。
TRIPATH × myXクサビのスペック紹介
サイズ | 長さ約20cm、厚み約2cm |
重量 | 約650g |
素材 | 鉄 |
原産地 | made in北海道 |
TRIPATH × myX とは?
TRIPATH PRODUCTS にマイクスが別注をかけたダブルネーム商品
北海道に拠点を構えた「株式会社トリパス」
2019年より新事業「TRIPATH PRODUCTS」始動し、アウトドア製品の開発、販売を開始
金属加工のプロだからこそなし得る新しいアイテムをプロデュース
横浜の総合アウトドアショップ「GOOD OPEN AIRS myX」
各ジャンルの専門バイヤーがセレクトした選りすぐりのアイテムを取り扱うセレクトショップ
TRIPATH × myXの実物紹介
外観
全体
エッジの利いたデザインとなっているため、他のクサビと比較してシャープな仕上がりになっています。シンプルな形状ですが、メーカーロゴが刻印されておりとてもおしゃれに仕上がっています。
刃先形状
拡大するとわかりやすいですが、こちらの刃先はとても鋭い刃に仕上がっています。これだけシャープな刃先であれば薪への食い込みが期待できます。ナイフではないので万が一刃先に触れてしまった場合でも手を切ることはないと思いますが、刃先には十分注意が必要です。
大きさ
片手で持つとこんな感じになります。他のクサビと比べて全体的に小ぶりな仕上がりになっています。
重さ
正直軽くはありません。それなりの重さがありますが、クサビはある程度の重さがないと薪割りとしての性能を発揮することができません。薪割りのしやすさとハンドリングを考慮した結果、バランスの取れた重さになっていると思われます。
実際に使ってみた
実際にクサビを使ってみたのでご紹介します。
土台づくり
柔らかい地面の上で一生懸命ハンマーで叩いても刃先に力が伝わらず、なかなか割ることができません。余計な労力を使わず効率よく薪割りを行うために余っている薪を土台として利用しましょう。
薪にクサビの刃を食い込ませる
クサビの刃先を割りたいところにあてます。この時年輪の向きに沿って刃をあてると年輪をきっかけにきれいに裂けて割りやすくなります。
ハンマーでクサビを叩く
クサビのおしりをハンマーで叩きます。この時クサビがブレないようにしっかり手で保持しましょう。万が一ハンマーが空振りして痛い思いをしないようにしっかりグローブを着用して作業することをおすすめします。なお、使用するハンマーはできるだけ重さのあるものを選択しましょう。クサビに与える衝撃力が大きくなるためクサビが食い込みやすくなります。
私はペグ打ちで使用しているホームセンターで購入した激安ハンマーを使用しています。当然ですがプラスチックハンマーでは役に立たないのでご注意ください。
さらに叩き込む
ハンマーの重さ、力加減、薪の種類にもよりますが、数回叩くとこのようにクサビの刃先が薪に徐々に食い込んでいきます。このまま叩き込むと薪がパカーンと引き裂かれるようにきれいに割ることができます。
このようにクサビを使った薪割りはハンマーで叩きつけるだけの作業です。斧を振りかざしたりナイフを扱うタイプと違って極めて安全性が高い薪割り道具といえます。
後ろの穴は何のため?
薪の種類や太さによってはクサビを打ち込んでもなかなか割れず、途中でクサビが食いついて抜けなくなることがあります。食いついてしまったクサビを薪から取り出すのはなかなか難しい作業になります。
こちらのクサビは後方に穴があいています。ストラップ用の穴・・・として使用してもいいですが、食いついたクサビを取り出す時に使用する便利な穴になります。
使い方は、穴にめがけてペグをセットし、ペグの後ろからハンマーで叩いてクサビを取り出します。
TRIPATH × myXのまとめ
いかがでしたでしょうか。危険なイメージが強い薪割り作業ですが、その中でもクサビは最も安全な薪割り方法と言えます。特に今回ご紹介した「TRIPATH × myX」のクサビはクサビに求められる機能がしっかり盛り込まれた商品となっているため、買って後悔しない商品になります。
これから迎える焚火シーズンに備えて、ちょっと周りと違った薪割りを楽しんでみてはいかがでしょうか。