季節を問わず快適にキャンプを楽しむための有効なアイテムとしてポータブル電源が注目されています。
ここ数年ポータブル電源の技術の進歩はすさまじく、大容量のものから小容量のものまで毎年各社から次々と新商品が発売されています。
今回ご紹介するBLUETTI EB3Aは小型軽量のメリットを活かしてキャンプシーンに新たな使い道を提案した商品です。
小型なのにパワフルなポータブル電源を探している方は是非最後までご覧ください。
決して忖度せずいいところも悪いところもしっかりお伝えいたします。
「ポータブル電源はキャンプと相性抜群!」という記事はこちらをご覧ください。
ここ数年、急激に注目を集めてるキャンプ関連の話題と言えば恐らくポータブル電源ではないでしょうか。快適な生活が送れるように新たな技術や商品が開発されていきますが、ポータブル電源の登場によって季節や場所を選ばずさらに快適に自然を楽しむキ[…]
BLUETTI「EB3A」はこんな人におすすめ!
今回ご紹介するEB3Aはこんな人におすすめです。
🔵 季節を問わずソロやデュオキャンプを楽しみたい人
🔵 最初の一台の購入を検討している人
BLUETTI「EB3A」のスペック
出典:BLUETTI
ポータブル電源のスペック表はとても難しい内容が書かれているため、主要な項目をピックアップしてみました。
容量 | 268.8 Wh |
定格出力電力 | 600 W |
バッテリータイプ | リン酸鉄リチウムイオン電池 |
サイズ | 255 × 180 × 183 mm |
重量 | 4.6 Kg |
出力ポート数 | AC出力 100V,Max 600W(サージ1200W):2 USB-A :2 USB-C :1 シガーソケット12V/10A :1 5521出力 12V/10A :2 ワイヤレス充電 Max15W :1 |
カラバリ | スチールグレー、ベージュ |
出典:BLUETTI
ポータブル電源といえば黒やグレーのイメージが強いですが、こちらの商品は2色のカラバリ展開があります。
高級感を感じさせるグレー色と自然に馴染むベージュ色。どちらもキャンプシーンでは主張しすぎずどんなサイトにも溶け込むカラーリングです。
BLUETTI「EB3A」の5つの特徴
まず初めにEB3Aの特徴を5つご紹介します。
小型軽量
・ ソロやデュオキャンプへ気軽に持ち出せる
600W(瞬間最大1,200W)の高出力
・ 一度に複数の電化製品が使用可能
・ 消費電力が大きいドライヤーも使用可能
他社の200~300Whクラスの小型ポータブル電源の場合、定格出力は200~300Wとなっています。これに対してEB3Aの定格出力は600Wと大きく上回っています。
EB3Aは出力ポートが全部で9つあり他社と比較して多いため、合計600W以下であれば最大9つの電化製品を同時に使用することができます。
さらに電力シフト機能によって瞬間最大出力が1,200Wに上昇するため、消費電力が大きいドライヤーなども使用可能です。
小型にも関わらずパワフルに使うことができるのがこの商品の最大の特徴だと思います。
高速充電対応
・ 充電し忘れても間に合います
充電にかかる時間は早ければ早い方がいいですよね(注)。こちらの商品はBLUETTI高速充電の技術によって最短40分で70%まで充電可能です。
朝起きて充電し忘れたことに気付いたとしても、出発するまでコンセントに繋いでおけば十分間に合います。
(注)充電スピードが速くなればなるほどバッテリーへの負荷が大きくなり劣化につながる傾向があります。
EB3Aは次に紹介する「リン酸リチウムイオン電池の採用」と「複数の充電モード」によって対策がされています。
普段は標準モードで使用し、必要に迫られたときに「高速モード」を選択することが可能です。
リン酸鉄リチウムイオン電池の採用
出典:BLUETTI
・ 買い替え頻度が少なくて済む
バッテリーの種類には鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などありますが、現在主流のリチウムイオン電池の中にもいくつか種類があり、EB3Aに使用されているリン酸鉄リチウムイオン電池は熱暴走が起こりづらく安全性に優れた特徴があります。
さらに充放電サイクル数が多く、BLUETTIの技術改善によって充放電サイクルは2,500回以上となっています。
例えば一日一回充放電したとして単純計算した場合、6年以上使えることになります。すぐに電池がダメになって使えなくなるということはなさそうです。
安全と性能が考慮されたリン酸鉄リチウムイオン電池を採用したポタ電を選ぶメリットはありそうです。
3万円を切るお手頃価格
出典:amazon
・ 浮いたお金でキャンプに行ける!
・ 浮いたお金で他のギアが買える!
amazonでは3万円を切るお手頃価格で販売されています。ポータブル電源は高価なイメージが強いと思いますが、キャンプや車中泊などのアウトドアシーンだけでなく日常生活に取り入れることで不測の事態にも使えるポタ電が3万円以下で購入できるとなるととても身近なものに感じます。
ポタ電ライフを楽しむ最初の一台としてちょうどいい価格のポタ電です。
BLUETTI「EB3A」の検証
実際に充電にかかる時間やどんな電化製品が使えるのか検証してみました。
充電時間について
標準モード
「標準モード」がデフォルト仕様になっています。
充電ケーブルをコンセントにつないで残量0の状態から計測を行いました。
こちらが計測結果になります。横軸が充電時間、縦軸が電池残量になります。
電池残量が80%になるまでにかかった時間は55分、満充電までにかかった時間は1時間18分。
出力電力は、80%までは255W程度、その後はバッテリー保護のためでしょうか155W程度に落ち着きました。充電中は常に安定した速度になっています。
気になる騒音は出力電力に比例している感じです。255Wの時は作動音が大きいと感じましたが他メーカーのものもそれなりにうるさいので、この製品が特別うるさいということはないと思います。
高速モード
「高速モード」を使用する場合は専用アプリをダウンロードしてスマホから設定変更を行います。
続いて、この商品の特徴として紹介した高速モードの実力を検証してみました。
電池残量が80%になるまでにかかった時間はなんと33分、満充電までにかかった時間は58分。
出力電力は、80%までは最大出力の430W、その後85%までは265W近辺を維持し、最後は155W程度に落ち着きました。先ほどと同様安定した速度が出ていました。
高速モードを頻繁に使用すると電池に負荷が掛かると言われていますが、わずか30分程度で80%も充電できるのはとても頼りがいがあります。
気になる騒音についてですが、フルパワーで駆動させているためやはりそれなりに音は大きいです。ただしあっという間に充電が完了するので生活スタイルに合わせて充電するタイミングを調整するといいと思います。
静音モード
「静音モード」を使用する場合は専用アプリをダウンロードしてスマホから設定変更を行います。
夜間充電に配慮された静音モードがあります。
電池残量が80%になるまでにかかった時間は2時間12分、満充電までにかかった時間は2時間46分。
出力電力は105Wと他のモードと比べて抑えめになっています。出力を抑えることでファンの作動音が抑えられているようです。
ファンは常に駆動し続けているのではなく定期的にONOFFを繰り返しています。ファンが駆動していないときはほぼ無音の状態です。ファンが駆動しているときでも他のモードと比べると静かに感じますが期待していたよりはファンの音が大きい印象を受けました。
公称値と実測値の比較
70%までにかかる時間 | |
公称値 | 最短40分 |
実測値 標準モード | 46分 |
実測値 高速モード | 29分 |
実測値 静音モード | 1時間56分 |
こちらの表は充電時間の公称値と今回測定した実測値を比較したデータになります。
測定条件の違いはあると思いますが、今回の測定結果では高速モードで公称値を上回る結果になりました。BLUETTIの高速充電の技術がしっかり働いています。
3種類のモードが用意されているため、状況に応じて臨機応変に使い分けることができます。
使用可能な電化製品について
スマホやカメラを充電できるのはおおよそ検討が付くと思います。今回は消費電力が高い電化製品に注目してご紹介いたします。
電気毛布
冬場のキャンプシーンではポタ電が大活躍します。寒い夜に電気毛布があるととても快適です。
今回はソロキャンプで電気毛布の強さを「中」にして使用してみました。「中」の消費電力は約30Whなので、EB3Aでは約9時間使うことができます。
夜10時から朝6時まで一晩使用しましたが、朝までポカポカで気持ちいい朝を迎えることができました。
ポタ電があるとないとでは快適さが全然違うので、冬キャンプの寒さ対策に悩んでいる人におすすめです。
電気毛布をメインとして使用する場合はデュオキャンプだと容量不足になる可能性が高いので注意が必要です。
ドライヤー
消費電力1,300Wのドライヤーを使ってみました。ドライヤーのスイッチをONにすると電力シフト機能が働きドライヤーが動き始めました。
使用中のEB3Aの出力は500W程度のため、風量と温度は普段よりも弱く、髪が乾くまでにかかる時間はいつもより長く感じました。感覚的には普段の2倍くらい時間がかかりましたが、「使うことができる」安心感は何ものにも交えがたいと思います。
電気ケトル
自宅で使用しているラッセルホブスの電気ケトルを使ってみました。電気ケトルの消費電力は1,250Wですがこちらも問題なく動きました。
お湯が沸騰するまでの時間を家庭用コンセントで使用したときと比較してみました。
水の量はどちらも500mlです。
沸騰するまでにかかった時間 | |
家庭用コンセント | 2分59秒 |
EB3A | 6分00秒 |
使用中のEB3Aの出力は594W、沸騰するまでに消費したバッテリーは30%でした。
出力が抑えられているため普段の約2倍の時間が掛かりました。時間はかかりますがポタ電を車中泊で使用した場合、ケトルが使える安心感が得られるのは重要なことです。
気になる騒音ですが、最大パワーで動作しているためモーター音とファンの作動音が大きいと感じました。一生懸命内部の熱を冷やそうと頑張っている感じです。
気になる電気代は?
ポータブル電源を一回充電すると電気代はいくらかかるのかざっくり計算してみました。
全国家庭電気製品公正取引協議会によると電気代は税込27円/kWhと公表されていますので、この値を使ってEB3Aを一回充電したときの電気代を計算してみました。
EB3Aの電気容量は268.8Whなので、一回の充電にかかる電気代は27/1000×268.8=7.26円になります。想像より安いですよね。
電源付きサイトで毎回1,000円払うことを考えると、普段使いや災害時に活躍するポータブル電源を一つ持っておくのもいいと思います。
純正のソーラーパネルも別途用意されているので、これを機会に環境への取り組みにチャレンジするのもいいかもしれません。
BLUETTI「EB3A」のいいところ
普段他社製のポータブル電源を使用している私が今回EB3Aを使用して感じた4つのいいところを紹介します。
出力ポートが前面に集約
ポータブル電源の中には出力ポートが正面、左側面、右側面と3面にまたがってレイアウトされているものがあります。
3面にまたがっている場合、本体の向きを変える必要があったり、端子をどこに挿せばいいか迷うことがあります。EB3Aの出力ポートはすべて前面に集約されているためこのような煩わしさは生じません。
左側面は吸気口、右側面は排気口が設置されているため、左右に出力ポートがないからと言って物を近づけすぎて口を塞ぐことがないよう注意が必要です。
ワイヤレス充電に対応
本体の持ち手を収納して上面をフラットにすることでワイヤレス充電が可能になります。iPhoneではiPhone8シリーズ以降すべての機種でワイヤレス充電を使用することができます。
ワイヤレス充電はコネクタ端子をつけたり外したりする必要がなく、置くだけで充電できるのでとても便利です。
スマホリング付きでも充電できるのか試してみました。スマホリングの大きさにもよりますが、若干位置調整がシビアになったものの私のスマホリングでは問題なく充電することができました。いちいちカバーを外さずワイヤレス充電ができるのはとても便利です。
スマホで遠隔操作が可能
アプリを使わなくてもポータブル電源を使うことはできますが、アプリを使うとさらに便利な機能が利用できます。
左は使用状況を示した画面、右は充電モードの切り替えなど各種設定を変更する画面です。
EB3Aは端末との接続方式はBluetooth接続なので、Wi-Fi接続と違っていちいちWi-Fi回線を切り替える必要がないので使いやすいと思いました。
端末のBluetoothをONにしてアプリを立ち上げればワンクリックで接続が完了します。設定項目の数が少なくとても簡単でわかりやすいです。
このように正確にリアルタイム表示されます。
液晶表示が自動消灯する
ボタンを押したあと30秒経つと画面が自動で消灯します。使用中はもちろんのこと充電中もこの機能が働きます。他社のポータブル電源では充電中に常時点灯する機種もあるので、就寝中に充電する場合は自動消灯するため眩しくありません。
BLUETTI「EB3A」のちょっと残念なところ
ここはちょっと残念に感じたことを4つ紹介いたします。
持ち手が引き出しづらい
本体の持ち手を引き出す時、何度か空振りして引き出せないことがありました。恐らく指先が入る凹みが浅いため指先が掛かりづらく空振りを引き起こしているものと思います。爪の長い人や指の太い人にとっては特に苦労するのではないかと思います。
ちょっと重い
小型軽量の機種であることは間違いありませんが、ユーザのさらなる小型軽量に対する欲は尽きることはありません(汗)。
EB3Aが発売された後、他メーカーからさらに小型軽量の商品が発売されましたので、ぜひ後継機種はさらに小型軽量を達成していただきたいです。
欲しいときこそ買い時と言われるように、このあたりは機能と価格のバランスを見ながらご自身が納得できる商品を選ぶといいと思います。
カー充電用ケーブルがオプション販売
連泊キャンプのときは二日目のバッテリーを充電するために、車中のシガーソケットを使用することがあります。
EB3Aではカーチャージケーブルが付属されていないため別途購入する必要があります。人によって使用頻度が異なるのでなんとも言えませんが、車中で充電したいと考えている人にとってはマイナスポイントかもしれません。
純正カーチャージケーブルはこちらで購入することができます。
出典:BLUETTI
BLUETTI「EB3A」のまとめ
ポータブル電源業界で熾烈な競争が行われる中、ソロキャンプにも使える小型のポータブル電源は今後ますます需要が高まっていくものと思います。
今回ご紹介したEB3Aはまさにその需要に応えた商品であると感じました。小型、軽量、パワフルなポタ電がお手頃価格で手に入るBLUETTI「EB3A」、興味がある方はぜひご検討ください。